ストーリー / Story

その町の入り口には、大きな鉄橋が架かっていた。
町を出入りする列車は、その鉄橋を渡るたび、淋しげな汽笛を鳴らす。

ドイツの伝承話「ハーメルンの笛吹き男」に登場する怪しげな楽師が吹いているかのような、その淋しげな汽笛が響くたび、今日も、町には誰かがやって来て、そして誰かが去っていく。

子供の頃からこの汽笛の音が嫌いで、町を出て行った男が、父の死を契機に都会から帰郷する。

廃校になった校舎に住む元校長、その校長が組織する音楽隊、縄文遺跡の研究チーム、閉鎖が決まっている老人ホームの残りわずかな入居者達。

彼らと過ごすうち、男は嫌っていた町に少しずつ馴染んでいく。

そんなある日、廃校に、怪しげな“自称卒業生”の男が現れ、「かつて、卒業式に校庭の木の下に埋めたタイムカプセル」を、こっそり掘り出したいと言い出す…

ハーメルン